マーカー育種

1)リンドウの花色識別DNAマーカー

 リンドウの育種目標の一つには、花色の多様化があげられます。最近では青花以外に白花やピンク花などの魅力ある花色を有する品種が育成されてきています。しかし、これらの花色変異形質は劣性であるため、育種を行なう上で取り扱い難いです。数多くの交配実生から選抜を行いますが、これまでの育種では花色は開花するまで識別できないため、育成に場所と労力が必要となっていました。そこで私たちは育種の省力化を目的に、実生の段階でピンク花や白花、青花を判断できるDNAマーカー技術の開発しました。その方法とは、芽生えの葉の一部からDNA(遺伝子情報)を取り出し、確認する方法です。このDNAマーカーにより、定植前の苗の段階で選抜を行ない、その後目的の花色を有する苗のみを圃場に定植することも可能になってきます。
 今後は、花色以外の有用形質を早期に選抜できるDNAマーカーの開発を目指して、研究を進めています。

2)リンドウの品種識別DNAマーカー

 DNAマーカーは、育種以外にも品質保証にも利用されています。リンドウは、栄養繁殖(挿し木や組織培養)によって増殖することが可能で、折角育成した品種も不正に増殖販売されてしますことがあります。また、品種管理において他の品種の混入を防ぐことが重要になってきます。そこで、我々と八幡平市花き研究開発センターは共同で、リンドウの栄養繁殖品種を識別可能なDNAマーカーの開発を行ないました。この技術により、県内で育成された30品種については、それぞれの個体に識別できるDNAマーカーの開発できました。この技術は、人間に例えると指紋のようなもので、個体を区別する指標としてDNAを利用しています。DNAを利用する利点は、同一品種においても栽培環境が変わると見た目の形質は条件によって変化して同一性を証明する事は困難でありますが、DNAは栽培環境では影響を受けないため大変信用できる指標であります。


3)リンドウの遺伝子地図

遺伝子地図はDNAマーカー育種を進めるにあたって重要な情報ですが、リンドウでは作成されていませんでした。そこで、ササリンドウと倍加半数体エゾリンドウから育成した戻し交雑集団を用いて、
リンドウ属で初めて連鎖地図を作成しました。19連鎖群のササリンドウ連鎖地図は、613.7cMでリンドウゲノムの約50%を反映しており、連鎖地図上には、10の花色や花成、越冬性に関連する遺伝子や、茎色形質についてマッピングされました。。これらの知見を利用して、今後、リンドウへのマーカー支援育種技術の確立を進めていきます。











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